浴室扉交換工事
いつも大変お世話になっているお客様より、ご連絡いただきました。
浴室の扉が動かなくなってしまった!と。
アルミサッシの引き違い扉。
長年の経年劣化で、戸車がすり減り、スムーズに開閉できない状態が続いている中、ついにフリーズしてしまったようです。
さてどのように対処するか?
すでに築後数十年経過しているため、構造上のゆがみもあることでしょう。
サッシを交換しただけでは問題は解決しません。
思い切って扉の枠ごと交換するか、という手もなくはないのですが、手前側のコルク床の下には床暖房が設置されていて、サッシと密着しています。
これをやり替えるとなると一大事。
扉の開閉をスムーズにすることが目的であれば、そこまで大ごとにはしたくありません。
調査を進めると、もう一つ問題が発覚しました。
向かって右手の扉枠の下の方、
どうやら湿気がまわって柱が腐っているようです。
これはそのまま放置できません。
開けてみましょう。
やっぱり。
在来工法でつくった昔のお風呂では、珍しいことではありません。
この辺りはもっとも腐りやすい場所です。
腐った部分を掘り出してみると、それほど深くはありません。
その深さ4㎝ほど。
奥にはブロックがつまれていました。
この腐った柱は、構造上の柱ではなく、サッシの扉枠を設置するための下地の役割を果たしていたようです。
であれば対処療法で問題ありません。
腐りやすい木材は使わずに、
モルタルで固めました。
この問題はこれで解決。
さて、残るはフリーズした扉をどうするか。
このように計画しました。
まず、扉の枠は既存の枠をそのままに、上から新たに枠を取り付けるカバー工法で対応します。
扉は、左側から出入りできれば良いので、右側ははめ殺しにします。
その方が隙間風も防げて快適になるでしょう。
左側の扉の開閉は、限られた幅でも問題のない中折れ戸を使います。
というわけで、完成した写真がこちら。
右側のはめ殺しサイドは、明るく開放感が出るようにポリカーボネートを用いました。
既存の枠の上に新たに中折れ戸の枠を設置しているので、高さが出てしまっていますが、段差の角を斜めにカットして面取りを施し、引っ掛かりにくく仕上げます。この作業はこれから。
これが終われば問題解決。
これでお風呂に入るときの小さなストレスが解消されることと思います。