狭小3階建て住宅のヒミツ
めっきり寒くなりましたね~。
それもそのはず、来週土曜日は二十四節気で言うところの「霜降」。
長~い寒い季節との戦いが始まります。
寒さに負けず張り切って参りましょう。
今日は、先日ご紹介した「7人家族が住む狭小3階建て住宅」の完成写真を
ご紹介しながら、解説しないと気づかないようなちょっとした工夫を
ご紹介したいと思います。
まずは、このお写真から。
この下がり壁があると、視線が抜けず圧迫感を受けます。
これがないと、
わかりやすいように並べてみましょう。
比較できるように右の写真に加工を加えて、下がり壁があるようにしています。
左の下がり壁がほとんどない写真が実際のものです。
狭小住宅はなるべく狭く見せないような工夫も大切です。
当社の住宅は、天井高をあえて低く抑えています。
天井高の一般的なサイズは2400(2.4メートル)。
当社の標準サイズは、2200です。
「え?20cmも低いの?」という声が聞こえてきそうです。
一般に「天井が高い方が開放感があって良い」と言われていますが、実はそうでもありません。
天井が低い事のメリットを挙げてみますと、
①天井高を抑えると、建物自体の高さが抑えられるから、北側斜線などの影響を受けにくくなります。
②傾斜の急な階段をつくらなくて済みます。
③冷暖房効率も良くなります。
④狭小地で高さが抑えられると、ペンシル感が和らぎ、控えめで落ち着いた印象になります。
これに加え、冒頭の下がり壁をなくすことができ、部屋が広く感じられるようになるのです。
狭い空間で天井を高くとると、狭さが際立ってしまったりもするのです。
と思われるかもしれません。
思い出してみると、7人の大人が住む分離型二世帯住宅です。
お風呂やキッチンが2箇所あることもあり、居室の広さはどうしても犠牲になります。
このお部屋は3帖。しかもクローゼットはありません。
最小限の衣類や荷物を入れるスペースが必要ですので、ハンガー付きの洋服掛けと
引き戸のついたオーダー家具を作りました。
季節のものや、普段使わないものは小屋裏収納や納戸に納め、
普段はすっきりした暮らし方を楽しむ作戦です。
奥の階段の入口にあたる壁には、手すりのような茶色いカバーがあります。
日々触る壁のコーナーに、無垢材でカバーをしました。
無垢の木ですから、時を経ても味わい深く変色してくれます。
お施主様のご要望を忠実に形にしました。
貴重な収納スペースですから、無駄にはできません。
ね、無駄にしない収納でしょ?
ぐるりとハンガーパイプを回し、最大限の容量を確保しました。
窓も空気が抜けるように2箇所用意しています。
南側の居室から風をスムーズに取り込むには、この窓が必要なのです。
子世帯リビングの作り付け家具です。
PCコーナーとAVボード、さらに2匹のワンちゃんスペースを兼ねています。
それぞれの配置はこんな感じ。
壁ぴったりに収まるのがオーダー家具の最大のメリットですね。
暮らし方のイメージができていれば、あらかじめ家具の配置や
収納スペースを効率よく取ることができるので、
狭小住宅でもスッキリ、スマートに暮らすことができます。
次回は、借景などもご紹介したいと思います。