以前よりお世話になっている、当社近くにお住まいのお客様より、お悩みごとのご相談をいただきました。
要約すると3つあります。
1.キッチンの排水桝に穴が開いていて、地中に浸み込んでいるようで心配。
2.雨が降ると犬走り(建物のまわり)がぐちゃぐちゃになるのが気になる。
3.建物の奥の雨どいからの雨水が排水桝に流れず、放水されるがままになっている。
ひとつづつ見ていきましょう。
まずはキッチンからの排水が溜まる排水桝。
中央やや右の配管がキッチンから流れてくる経路で、見えにくいですが、写真下部の穴から、共有桝へ流れるしくみです。
キッチンからの配管の下に穴が見えますよね。
この穴にどんどん排水が浸み込むと、心配になります。
図解するとこんな感じ。
次に、犬走りの状況はというとこんな感じ。
土の上に人工芝が設置してありますが、雨が降ると雨水の行き先がないため、地面に浸み込むのを待つしかありません。
ちなみに積まれているブロックの上に見えるフタが先ほどの排水桝です。
この2つの問題を同時に解決する打ち手を考えます。
先ず、キッチンからの排水は、排水桝を経由させる必要がありませんので、そのままダイレクトに排水管に直結させます。
これで、排水桝下の穴問題は解消します。
犬走りには土間コンクリートを打設し、雨が降ってもぐちゃぐちゃしないようにします。
しかし、降った雨をうまく排水する経路を考えないといけません。
そこで、キッチンからの排水桝があった場所に雨水桝をつくります。
こんな感じ。
雨水枡からの水の流れを、キッチンからの排水とつなぎ一緒に排水することで、最小の工事で最大の効果が得られます。
もちろん、土間コンクリートに降った雨が雨水枡に集まるように、緩やかに勾配をつけます。
まずはキッチンからの配管を右に向かって土の中に潜る排水管に直接つなぎます。
さらに雨水桝を設置して、その配管につなぎます。
雨水枡には水が流れるように網目のフタを載せて、犬走りにコンクリートを打設する準備が整いました。
ということでコンクリートの打設が完了しました。
これで、古い桝にあった穴問題も、犬走りのぐちゃぐちゃ問題も解消されました。
最後に家の奥の雨どい問題はこちら。
正面に見える給湯器のついた壁の右奥に見える雨どいがそれ。
寄ってみますと、
雨どいの先が犬走りの方に向かってそのままになっています。
これでは雨水の逃げ場がなくて困りますね。
この雨どいからの雨水を逃がす配管を土の中に通そうとすると大きな工事になってしまうので、こうしました。
手前の雨どいに合流させることで、お隣様との間に放流するようなことがないように雨仕舞を行いました。
梅雨前に、3つの排水問題を処理することができました。
住まいのお悩み事を解消せずに放置すると、頭のどこかに残っていて、ふと思い出すたびに気持ち悪いものです。
もし気になるお悩み事がありましたら、なるべく早くご相談ください。
放置する期間が長ければ長いほど、事態は悪化しがちですので。