当社近くのマンション1階を所有されるお客さまより、御依頼をいただきました。
まずはビフォーのお写真をご覧いただきましょう。
お部屋を分ける壁にシミが見えます。
どうやらこの壁に結露が発生して、壁の内部にカビが生えてしまったようです。
しかし、壁の向こうはお隣りの部屋。
結露は、湿気を含んだ暖かい空気が冷やされると起こる現象なので、通常、右手のカーテン側=外に面する壁におきるはず。
その外壁に面する壁側、エアコンの取り付けてあった部分にカビがまわり、下地としての要をなさなくなったため、一時的に取り外してありました。
しかし、隣の部屋のような壁の染みはさほど見られません。
こちらが隣の部屋との壁のシミ。
クロスと石膏ボードを取り外してみると、
ああ、やはりかなりの重症です。
上に見えるダクトに問題があるのか?
調べてみたものの、特に異常は見られません。
この状況で、結露をもたらす寒暖差が発生する原因として考えられるのは2つ。
1つ目は、床下からの冷気。
このお部屋は1階です。
床と壁の隙間に、基礎から上がってくる冷気が室内の暖かい空気を急激に冷やし、結露を発生させているのではないか?
もう一つの可能性としては、夏場にお隣のお部屋のエアコンで室内をキンキンに冷やし、このお部屋に熱がこもっていたとしたら、壁に結露が発生する可能性があります。
この段階で原因を特定することはできません。
考えられる原因をひとつひとつ潰していきます。
まずは床と壁の隙間を断熱材で埋め、冷気の進入を止めます。
さらに、お隣のお部屋とを仕切る壁にも断熱材を設置します。
通常、外に面していない壁に断熱材を設置することはありませんが、万全を期します。
ちなみに、奥に見える外と面する壁には断熱材が吹き付けてありました。
エアコンを設置していた壁面もカビが発生した壁からまわったものでした。
断熱材を施工した後、石膏ボードで覆います。
エアコンを取り付けるための下地にも石膏ボードを取り付けました。
この後、クロスを貼って完成しました。
今回のようにお住まいの不具合の原因がはっきりとつかめない場合も少なくありません。
そんな時は考えられる可能性を、ひとつひとつ潰していくしかありません。
ひとまず、これで安心してお使いいただけるのではないかと思います。