30年ほど前に新築工事を請け負あわせていただいたお客さまより、手すりを設置してほしいというご要望をいただきました。
若いころは何ともなくても、年齢を重ねると、身体を支えてくれる手すりがあると安心ですね。
机上でイメージしたときの図面です。
階段を上り下りする際に手すりがあると便利、ということで3本の柱で支えようと考えました。
画像に書き込むとこんな感じ。
しかし、現場で打合せて、イメージを膨らませると、階段下のフラットな部分から手すりがあった方が、将来のことも考えるとより安心であろう、ということになり、道路から一歩入ったアプローチ部分まで伸ばすこととしました。
ということで、工事へ。
固いタイルにきれいに穴をあけるのは骨の折れる作業です。
左下に見える、身長計の低いやつみたいなものを穴をあける部分の手前において、ドリルを設置します。
ただ置いただけでは、穴をあけようとしても台自体が浮き上がってしまい安定しないので、吸盤のようにタイル部分に密着、固定して穴をあけました。
きれいに4つ。
計画段階では3本の柱でしたが、アプローチに1本追加、仕上がりはこうなります。
買い物に出、やっとの思いで帰宅し、アプローチでひとやすみ、そう思った時にこの位置に手すりがあると、ホッとしますよね。
何事も机上で完結せず、現場でもうひと練りするのが大切なのです。
お施主さま、この度もお声掛けいただき、ありがとうございました。