少し前の工事になりますが、一戸建ての周囲に犬走りをつくる工事のご依頼をいただきました。
施工前の状況です。
犬走りとは、建物の周囲が土のままだと、雨の時に泥がはねて家を汚したり、雑草が生えてお手入れが煩わしかったり、害虫が進入しやすかったりするため、コンクリートのタタキにしたり、砂利を敷き詰めたりします。
犬が走るほどの細い道になるので、犬走と言います。
でも今回のご依頼は、上記の問題解決ではありません。
雨が降った時に、雨水が隣家に流れ出てしまう状況にありました。
お隣の敷地が少し低い位置にあり、フェンスの立ち上がりも高くないために、ちょっとした雨でも流れ出てしまったのでしょう。
というわけで、もう少し高い立ち上がりを設けるとともに、道路側に勾配を付けてコンクリートを打設することで、水の流れを制御することになりました。
フェンスの手前、元あった低い立ち上がりにブロックを設置して雨水をせき止めます。
これくらい長いと水をせき止めてくれそうにみえますね。さらに左手の土をコンクリートで覆い、道路側に勾配を付けます。
このように仕上がりました。
これでお隣様の方へ水が流れ出るのを防げるでしょう。
今回、問題はこちらの側面だけだったので、それ以外は工事しない予定でしたが、仕上がりを御覧になられ、これなら裏も、とのご要望を受け、工事を行いました。
レンガの花壇との相性もよく、お庭もいい感じになったと思います。
一方、雨水を雨どいから排水するパイプも壊れていました。
経年劣化により、パイプが外れています。
しかし、昨年の秋に続いた台風のため、職人さんが手配できずすぐに修理ができません。
しばらくの間は応急処置でガマンしていただくことにしました。
実は、もう1か所問題を抱えていた雨水処理がありました。
奥の雨樋から排水パイプを伝って外に出すのですが、勾配がうまくとれておらず水が流れません。
コンクリートのたたきにする工事終了後に、付け替えました。
壁に沿って、きちんと勾配をとって付けられているのがわかると思います。
これで安心。
外れていたパイプも修理完了しました。
これで雨降りによる住まいの問題が解決しました。
家は住むほどに劣化してきます。
放っておくと人の体と同じように蝕まれます。
特に外気にさらされる外装まわりは定期的に点検されることをお勧めいたします。