先月末にご紹介した、お寺のお手洗い改修工事。
ほぼ完成いたしました。
本日は、その模様をごご紹介いたしましょう。
そもそも、お手洗いを改修するきっかけになったのは、
「建物が古く、劣化が激しかったから。」
もちろん、それもあるのですが、そのレイアウトにも問題があったのです。
まずは、簡単な図面で、ビフォーアフタ―のご紹介から。
もともと、お手洗いの引き戸を開けると、扉のない男性用小便器が目の前にありました。
このレイアウトが、特に女性のみなさまから評判がよろしくなかったようです。
ガラガラッ!と引き戸を開けたら、目の前に用を足している男性の背面を確認してやり過ごし、
そのまま、洋式トイレに入る。
その後の重たい空気感というのは、言わずもがなという感じでしょうか。
さすがに、男性用と女性用を分けるスペースはとれなかったのですが、
左手に洋式トイレを2つ、右手に洗面所と、個室にした男性用小便器を設置するというリフォームです。
気配を感じながらも、姿が見えない状態をキープできますので、かなりカイゼンされるはず。
それでは、もう一度古いお手洗いの状況を確認しておきましょう。
これが引き戸を開けた時の状態です。
男性用小便器の横に黒いタイルが見えます。
下からタイルの目地をなぞって視線を上げると、小便器との幅が広がっていきますでしょう?
これは、床下のコンクリートが劣化して爆裂を起こし、浮き上がったため便器が傾いているのです。
リフォームするにはいいタイミングですね。
右手は壁で、反対側のキッチンに付属する収納になっています。
そのスペースをお手洗いに回し、手洗いと男性用小便器を設置します。
こちらがその収納を取り壊し、左に小便器、右に手洗いを設置する場所を確保したところです。
左手の壁面は外に面しているので、新たに断熱材を施工しました。
正面の壁面の裏手はキッチン=室内なので、断熱材は必要がないということですね。
こちらは反対側の洋式トイレ。
二つ横に並びます。
配管などはすべて新しく取り替えています。
構造なども含め、結構な傷み具合でしたので。
その模様も1枚振り返りましょう、こちら。
傷みが激しいところは、全てやり直します。
石膏ボードが設置され、個室らしくなってきました。
枠ができたら、まずはクッションフロアから設置します。
さて、これは何をしているところでしょう?
なにかの板みたいな建材に付いた両面テープをはがしています。
正解はこちら。
洋式トイレの壁面に設置する壁材です。
TOTOハイドロセラ。
防汚性、対傷性といった、陶磁器が本来持つ特性を生かした大型の陶板です。
写真のレールに沿ってハイドロセラを設置します。
前の写真では、ガラスを運ぶ吸盤をうまく使ってはめこんでいました。
手で掴むところのない大きな板なので、あのように取っ手があると作業も早いし、ミスも防げます。
御覧の通り、きれいに設置できました。
ハイドロセラの壁面が鏡面のようでしょう。
便器が映りこんでいます。
サッとひと拭き、掃除がしやすいメリット感じていただけると思います。
このトイレ、来客用の間と本堂の間に設置されたお手洗いです。
法事の時にお客様にご利用いただくお手洗い。
明日はお彼岸の中日です。
たくさんの方に、安心して快適にお使いいただけますように。