2月も残り1週間をきり、春が近づいているのがわかります。
でも、やっぱりまだまだ寒いですね。
そんな時に、『寒くて仕方がないお部屋があるので何とかしてほしい!』
というご依頼をいただきました。
現場の状況をご覧いただきましょう。
はい、屋根の形状そのままの吹き抜けがある勾配天井です。
吹き抜けは開放感があってとっても良いですよね。
でも、冬場は暖房をするとどんどん暖気が上がってしまうんです。
上昇気流で。
それでもどんどん暖房すれば上昇気流とはいえ、次第に部屋全体が温まってくるもの・・・。
なんです、本当は。
しかし、この暖気が天井からどんどん外へ逃げていってしまうとしたら・・・。
熱は高いところから低いところへ行く性質があるので、
天井が外と変わらない温度だとすると、暖気はあっという間に
吸い取られていきます。
こちらの天井、グラスウールという断熱材で施工されていたのですが、
施工が雑で断熱の機能をはたしていませんでした。
グラスウールというのは、ガラス繊維でできた布団の綿のような素材です。
それ自体に問題があるわけではありませんが、きちんと施工しないと
求められる断熱性能を発揮しません。
例えば、十分なグラスウールが敷き詰められていないと、このような勾配天井の場合、
上から下にズレてくることがよくあります。
そうすると上の方はスカスカになりますよね。
となると、屋根、天井はあるものの、そのまま外気にさらされているのと
ほとんど変わらない状態になります。
そりゃ、真冬は寒いですよね。暖気は逃げ放題です。
一方夏は夏で大変。真夏の屋根は灼熱の太陽に熱せられ、70℃を超えることもザラ。
その熱がどんどん侵入してくるわけです。
そりゃ、エアコンかけても効かないわけです。
さて、どうしたものか。
天井を開けて断熱材の施工をやり直すか・・・。
その工程だと、天井を開き、古い断熱材を除去、きれいにして、断熱材施工、
そして天井でふたをする。
結構な工程になりますね。
それなら、このまま天井に断熱材を内側から施工したほうが、お安く確実に断熱材を施工できる、
という結論に達しました。
天井のクロスが破けているのは、状態を確認するため。
基本、そのまま断熱材を施工するための横材を設置します。
天井のようなボードがかかっていますが、足場であり、暮らしながらの施工ですので
ごみが散乱しないためのものです。
横材を足掛かりに断熱材、スタイロフォームを施工しています。
隙間なくがっちり組み込まれているでしょ?
これなら、上からずり落ちるなんて心配もありません。
断熱性能自体も高いんです。
スタイロフォームのメーカーであるダウ化工(株)のWEBサイトによると
グラスウールに比べ1.6倍も低い熱伝導率だそうです。
持っていても全然熱くない鍋つかみと、ずっと火にかけていると
持てなくなっちゃう鍋つかみくらいの違いがありそうです。
もうすぐ春が来て暖かくなりますが、すぐ夏が来ます。
そう思うと夏の暑さ、冬の寒さが気になるのであれば、
断熱工事はいつやってもいいと思います。