江戸川区の地元町会会館、棒茅場自治会館 耐震改修工事のご依頼をいただきました。
年季の入った建物です。
天井裏には丸太梁が組まれていて強そうですが、なんせ年数が経っています。
大地震の到来が言われて久しいので、耐震改修工事を行うことになりました。
骨組み自体を強化するのは当然ですが、今回ご紹介するのは屋根。
『え?屋根なんか耐震改修工事に関係あるの?』と思われそうですよね。
それが実は大アリなのです。
瓦1枚の重さは一般的に2.7kgほどあります。
1坪=2帖で約50枚ほど使います。これで150kgほど。
さらに、瓦を設置するための下地材などを含めると、1坪=畳2帖大に200数十キロの重さがかかっていることになります。
25坪の屋根で実に5~6トンの重さということになります。
これだけの重さがあると、耐震性にも大きな影響があります。家を支えきれない・・・
というわけで、屋根を軽くするための屋根を葺き替える工事をご紹介しましょう。
瓦を外しています。
中から土が!
瓦屋根を葺くときにはその下に粘土質の土を引いて、滑って落っこちないようにします。
土葺きといいます。
瓦と粘土、そりゃ重いわけです。
このように、粘土の下には桟があって、瓦を引っ掛けてきれいに並べて拭きます。
桟の下に見える板を野地板といいます。
瓦が撤去されました。
結構な土の量でしょ?
かなり年数を経ていますので、野地板にそのまま乗ると抜けてしまう場合があります。
屋根に穴があかないように、足場板を置いてその上に立ち、抜けないように作業を行います。
土や桟など古いもの撤去して新しい野地板を設置します。
きれいに収まりました。
防水シートを敷きます。
これは下から、重なり部分を意識して敷きます。
上から敷いていくと、水が中に染み込んでしまうので、必ず下から敷きます。
防水シートの上に芯木を設置し、固定します。
芯木と芯木の間に板金を設置します。
ご覧のように、芯木に沿って上に曲がっています。
この上にキャップをはめて雨が染み込まないようにします。
写真左側が芯木にキャップをして、雪止めを設置したところ。
右手はこれからですね。
いかがでしょう?
屋根重量をかなり落とすことができました。
建物の骨組みにかかる負担を大幅に減らすことができたと思います。
加えて、金物と筋交いで構造部分を補強しています。
いつ来てもおかしくない大地震に備え、今できることをしっかりやっておきたいものです。