昨年9月にご紹介を始めた、48㎡の土地に建つ狭小住宅、ついに完成致しました。
あの後、2度にわたる大きな台風の影響で、ご紹介が滞って、そのまま完成を迎えた次第です。
少しおさらいをしますと、建て替え前の現場はこの通り。
かなり立て込んでいました。
この建物を解体し、完成した現場がこちら。
気持ちよくスッキリ建て替わりました。
以前は、外出時に雨が降っていると傘をさすときに、雨を避けることができませんでしたが、このくらいの庇があれば、十分避けられますね。
玄関タタキに式台を設置しています。
なぜかというと、道路から床上までの高さが60㎝ありました。
1段の階段の高さは23㎝以下と決められているので、この60㎝の段差を埋めるためには、最低でも20㎝×3の階段が必要になります。
これを玄関の前に造るとすると、
ちょっと狭いですよね。
このポーチを2段にすると、出入りがしにくいですし、ポーチと内部の土間に20㎝もの段差があると躓く事故が起こりやすいのです。
ということで、玄関内部に式台を設けて段差を解消し、その下のスペースに靴を入れられるようにして、段差と収納を兼ねるようにしました。
左手は靴入れ、奥の突き当りは階段下収納です。
家の顔と言われる玄関から見える収納の建具は、ナチュラルなパインのテイストで統一しました。
48㎡の土地に建つ2階建ての家には貴重な収納スペースとなる階段下も、上部にはハンガーポールでアウターをかけられるようにしつつ、下にも掃除機などを置けるスペースを確保して、余すところなく活用します。
こちら、洗面脱衣室とお手洗いと浴室を兼ねたサニタリースペース。
ひとつひとつを区切らないことで、窮屈さを感じません。
見慣れない方は、最初ビックリしてしまうかもしれませんが、慣れたら全く気にならないどころか、むしろホテルライクで使いやすいと思います。
ちなみに2階にもトイレはご用意があります。
デザインは、シンプルナチュラルなテイストに、ブルーのモザイクタイルがあしらわれ、清潔感がありますね。
創業80年『生活環境をデザインする素材の創造』を目指す、名古屋モザイクのタイルです。
洗面台の下部はお施主様のご要望で開放しました。
『閉ざすとしまい込んでしまいそうだから』ということで、床には洗濯籠を、棚板の上にはドライヤーなどを収納します。
さすがにこれだけでは収納が足らないのでは?
はい、その通りなので、回れ右をした反対側に、
壁の厚みを活用した壁面収納を用意しました。
主にタオルを収納することになるので、抑えとして横に材を流しています。
結構な収納量があります。
この部屋には2段ベッドを置こう!ということで、ピッタリのモノを探されたそうなのですが、想うようなものが見つからなかったそうです。
そこで、上部のベッドだけ、当社の大工が造作しました。
下にマットレスを敷けば2段ベッドの出来上がり。
広い床面が必要な場合は、下のマットレスを移動すれば確保できますので、こちらの方が使い勝手がいいかもしれません。
こちらは北側の洋室です。
右手が道路になりますので、ハイサイドサッシで優しい光を採りこみます。
右奥の収納は奥行きがあるので、奥側に棚板をつけて上部にモノを置けるようにしつつ、低めのハンガーパイプを設置し、手前側は高い位置にハンガーパイプをつけて背の高い洋服を吊りながら、下部にモノも置けるようにしています。
こちらも収納の建具はとりつけず、
ロールスクリーンで代用しました。
開閉も楽ですし、明るくライトな感覚で、コストも抑えられ、プライベートスペースにはもってこいだと思います。
今回はここまで。
メインの生活スペースとなる2階は、次回ご紹介したいとおもいます。