前々回のブログで、変形地に建つ狭小住宅をご紹介いたしました。
今回はそれに対抗して、整形地に建つ狭小住宅をご紹介したいと思います。
赤い線で書いてあるのが、境界線です。
きれいな長方形です。
問題はあまり広くないことと、
建築の制限が厳しいこと。
土地の面積59㎡で2階までしかたちません。
延べ床面積に入らないロフトを加えても83㎡。
この中で、大人と子供が3人づつ、計6人で暮らすお家です。
整形地らしい佇まいですね。
玄関の上に光を取り込む窓を付けました。
間取り図をもう一度確認すると、
玄関入って扉を締め切ると、西側(この図面の上側)に窓がほとんどありません。
トイレと奥の納戸にありますが、扉を閉めると光が入りません。
そこで玄関扉の上から光を取り込んでいます。
効果の程はいかほどかというと、
それほど大きくない窓なのに、断然明るいでしょ?
人の視線も気にならないし、光りを取り込むには最高です。
但し、玄関はただでさえ、外気が入り込みやすい所です。
開閉が多い上、熱を通しやすい窓を上に設けると、夏は熱が余計に入り込みやすく、
冬はどうしても逃げやすくなります。
そこで外気の影響をシャットアウトするために手を打ちました。
玄関扉の内側に二重扉を設け、風除室を設けました。
内側はガラスではなく、ぶつけても割れず、来客を見通せるアクリル板です。
これで冷暖房効果の低下を抑えます。
こちら、左手に見えていた1階子供部屋。
右側の壁は全面道路に面しているので、天井の高さまであるハイサイドサッシにして、
通りを通る人との視線が合わないようにしています。
正面はお隣様と距離が近いので、ダイヤルでグルグル回すルーバー窓です。
こちらは光と風をたっぷり取り込むために、床から立ち上がる窓にしました。
この写真は前の写真に写っていたエアコン下あたりから撮った写真。
間取り図で位置関係を示すとこんな感じ。
②のアングルの奥に写っているクローゼットが、赤い囲み線の位置です。
このクローゼットが可動式になっていて、いつしか子供たちが大きくなって、
それぞれに個室がほしい!となった時には、お部屋を二つに区切ります。
真ん中にスライドさせて、右側のクローゼットをひっくり返せば出来上がり。
仲良く、ちょうど真ん中でしょ?
お兄ちゃんが右側かな?クローゼットが大きい方は妹ちゃん優先で。
今はクローゼットの上が開いていますが、ここに天袋を置くようになったら、
右側のお部屋には窓が一つしかなくなります。
床から続く大きな採光通風用窓があれば大分違います。
1階奥の個室、設計上は納戸になりますが、こちらはお母さまのお部屋。
なんせ広さに余裕はありませんから、効率的に物を置いて機能的に暮らさないと。
造り付けのデスクと天井までの収納に加え、アングルの背面にたっぷりの収納を用意しています。
このお部屋の窓も、周囲と視線を合わせないように天井いっぱいのハイサイドサッシにしています。
こちらは2階から一階を見たところ。
冒頭ご紹介した通り、1階の向かって右手の壁に窓がほとんどないため、
お母さまのお部屋と子供部屋、トイレと全て閉めてしまうと、壁面からは
一切光が入りません。
でも、2階からロフトに上がる階段のけりこみ板を付けず、スケルトン上にしているので
上から光が落ちる仕組みになっているんです。
さらに、廊下と階段を仕切る壁は、
このように室内窓を開けて光がとおるようにしています。
これで、冒頭ご紹介した玄関扉の上にある窓と、階段からこぼれる光で、昼間は十分
明るいんです。
2階とロフトは次の機会にご紹介しましょう。
お楽しみに!