ゴールデンウィーク前にアップした、『道路後退工事(セットバック)、その後』。
セットバックしようとしたら、水道管が道路すれすれにあって、市が工事してくれないから、
地下60㎝までに収めるように工事した模様をご紹介したものです。
この水道管の処理を終えて、セットバック工事=道路を拡げる工事を行い、
ようやく外構工事に着手できるわけですね。
ちなみに、前面道路はもともとはこんな感じでした。
狭!こうしてあらためてみると、やはり土地が少し小さくなっても、
セットバックという制度は必要なんだな、なんて思ってしまいます。
さて、この前面道路がどうなったかというとこうなりました。
バ~ン!と開けたでしょ?
本当に同じ土地に建った家?と思うほどに。
手前のお宅のレンガの外壁をご覧ください。一緒でしょ?
セットバック自体はそれほどの面積ではありませんが、敷地の境界から小さい車1台分
駐車できるスペースをとって建物を建てているので、こんなに開放感が得られました。
玄関の上に2階が覆いかぶさっています。
限られた土地にカースペースをとりながら、建物の広さを確保したいときによく使う作戦、
「オーバーハング」といいます。
駐車スペースが取れ、2階は広くでき、玄関の庇代わりにもなる、1粒で3度おいしい作戦です。
注意する必要があるのは、天井にあたる白い部分の断熱です。
ここを断熱しなければ外気温の影響をもろに受けるので、当然断熱しなければいけないのですが、
通常2階の床は1階とつながっているため、断熱しませんよね。
意識が甘いと断熱工事を忘れてしまうんです。
何年か経って、『この家すごく寒いんです』なんてリフォームの相談を受けて
調べてみたら断熱材が入っていなかった、なんてことがありますので、ご注意を。
建築工事には、こういうちょっとした落とし穴がいっぱいあるので、
任せて安心できる会社を見極めて依頼することがとても重要なのです。
ちなみに、オーバーハングとは、もともと登山用語で、庇のように突き出た岩のことを言うそうです。
トムクルーズがミッションインポッシブル2の冒頭で見せたロッククライミングのシーン、
まさにオーバーハングでしたね。
左手に引き戸が見えますが、こちらはキャンプ道具など外遊びの道具をしまう物置です。
ちなみに、この物置は断熱材の外側になります。
物置は断熱する必要がありませんので。
玄関ドアまでのアプローチの段差が斜めになっているのは、車の出し入れをしやすくするため。
その右側の一部だけ、敷石にしているのは、将来植栽を植えることになるかもしれないから。
コンクリートで固めてしまうと、雑草が生えずお手入れは楽ですが、鉢植えしか置けませんよね。
鉢植えと地植えでは、できることが全然違ってきます。
今回の建物は角地に位置するため、見通しをよくする隅切りを行っています。
角地だと、建ぺい率(土地の広さに対する建築面積の割合)を10%大きくできる、
角地適用というルールがあるのですが、適用を受けるためには隅切りが必要です。
かわいらしいお嬢さんがスケボーで遊んでいる姿からおわかりいただけると思いますが、
この木の塀、道を通る人の視線を遮るように立っています。
やはり窓から、通る人のお顔がいちいち見えるのは気になるものです。
奥は自転車置き場になっています。
木の塀は、防犯上の役割も担っています。
さすがに、オープン外構側に自転車を止めるのは盗難のリスクがありますので。
外構が完成して、ようやく落ち着きました。
「タタミリビングのある家@亀戸」、外構完成の模様をご紹介いたしました。