家の写真は、図面とつき合わせながら見たほうが、
設計者の意図とか使い勝手とか、写真だけではわからない
工夫などがわかるものです。
また、家を建てたい人にとって、既に家を建てた方のプランは参考になるもの。
そんな想いから、過去に建てた家の写真を図面と共に振り返ろうと思います。
第一回目は、変形地=Z字形の敷地に建つ狭小住宅の1階をご紹介しましょう。
まさにZ字型でしょ?
図面の1マスは、1辺の長さ91㎝です。
ですから、真ん中の一番細い部分の幅は、4マス分=3.64メートルもありません。
当然、建物はその範囲内で、ということになります。
それならその狭い部分は、階段と廊下+収納で、狭さを感じさせないプランにしています。
さあ、1の正面のアングルからの写真をご覧いただきましょう。
どうぞ~。
両サイドの3階建てに挟まれて建つ2階建て+ロフトの家。
図面ではカットしましたが、手前にカースペースを用意しています。
土地19坪、建物17坪の狭小住宅です。
建物右側に屋根がかかっているのは、お隣りがご主人のご実家だから。
雨でも屋根のある渡り廊下を通ってご実家に行けるので、ストレスがありません。
また、正面玄関に庇がありませんが、雨ならご実家側から出れば問題ありません。
それでは中へ。
アングルはこちら
実際の眺めはこんな感じ。
手作りのベンチが使いやすそうですが、図面でわからない工夫は、
ベンチの上の室内窓のように抜いている壁ですね。
ふさがっている状態を想像すると、開放感を感じていただけると思います。
来客時には、階段の上からお客様のご様子も確認できるので安心です。
1階は、主寝室とキッチン以外の水回り。
図面を見ると、
左手に浴室と洗面所があります。
浴室前の脱衣所と、洗面所の立ち位置を兼ねています。
右手には、お手洗いの奥に洗濯機置場を設置しています。
図面ではわかりませんが、写真には階段下収納もはっきり映っていますね。
逆側から見るとこんな感じ。
右手の収納には天袋もついています。
洗濯機置場はというと、
おう、ドーンと洗濯機。
ちょっとこれがいつもあらわしだと抵抗がある・・・
とすれば、
ブラインドで閉じました。
これならお客様がいらしても気になりません。
さて、1階奥の主寝室はというと、
1階の中では最も広いスペースです。
窓はハイサイドサッシ一つですが、光りがたっぷり入ります。
冒頭の写真でおわかりのように、建物が込み入ってますから、
開口部の取り方も当然ですが工夫しています。
収納も、廊下に抜ける入口も、全部天井まで開口をとってあるので、
天井が高く、開放感を感じられます。
収納も、予め使うイメージを決めて、一部は棚に、一部はハンガーポールを
予め設置しています。
ドーンと広いだけの押入れは、実は使い勝手が悪く、無駄なスペースが出てしまうんです。
さて、2階の模様は、次の機会にご紹介しましょう。