3週間前に、内装工事の模様をご紹介した敷地58㎡の狭小住宅。
かなり仕上がってまいりました。
完成に近づいた現況をご紹介いたしましょう。
バルコニーのウッドフェンスも設置され、ほぼ完成に近い状態になりました。
こちらは玄関の土間から、上を見て撮影したところ。
光を採りこむための窓が設置されています。
なんとなく、違和感がありませんか?
そうですよね、玄関土間から上がり框までの高さがかなりありますよね。
一段で上がるにはちょっと厳しい・・・
はい、その通りで、最終的にはこうなります。
道路から、家の中に入るまで、階段を上がるように一歩一歩、上がっていきます。
玄関土間にもう一段、コンクリートで段差をつけてもいいのですが、それよりも式台を設けて、その下を収納スペースとして活用した方がスペースを有効に活用できますよね。
こんな感じ。
敷地に余裕がある場合は、道路から玄関までのアプローチに傾斜を造ったりして、高さの調整を行いますが、道路から玄関までの距離がない場合は、そんな余裕はありません。
短い距離で段差の調整をする場合には、式台を使って階段のように段差を調整する解決策を採用する場合が多いのです。
こちらは、玄関わきの小窓。
こちらの窓には、お施主様が用意されるステンドグラスが設置されます。
このサイズに合わせて作っていただいており、内側と外側に木枠を用意して、挟んで固定します。
玄関すぐ右側の寝室です。
正面のクローゼットには建具をつけません。
プライベートな空間ですので、あまり仕切る必要がありませんよね。
この出入口には下がり壁がありません。
高さ制限が厳しい都会の狭小住宅では、あまり天井高を高くとれませんので、下がり壁をなくして圧迫感をなくしています。
今回の天井高は2100㎜ですが、建具(室内扉)がある出入り口も、天井高ピッタリにあつらえています。
さて、2階に上がりまして、リビングの小上がりです。
右手には造作のAVボード、左手に引き出し収納のある小上がりスペースがあります。
ちょっと気になるのは、左手の引き出し収納は、そのまま引き出せますが、右側はAVボードの脚が邪魔してそのままだと引き出せないように見えると思います。
寄ってみましょう。
このように、右手の引き出しは、左側半分は引き出し収納になっていて、右側は奥にある穴に指を入れて、フタを開ける収納になっています。
小上がりの上には畳を敷きますので、取り出す際は畳を上げてフタを開けます。
左側の引き出し収納も、あまりに長いと使い勝手が悪いので、奥はフタを開閉する収納にしています。
普段使うものは引き出しに、あまり使わないものはフタの下にというイメージです。
畳を上げて、と言っても、昔の和室に使っていた6㎝厚の重い畳ではなく、1.5㎝厚の薄くて軽い畳を敷きますので、それほどストレスを感じずに開閉できると思います。
その収納の奥から、バルコニーに出入りします。
小上がりとバルコニーの高さがほぼフラットなので、天気のいい日は開け放してアウトドアリビングとして楽します。
そのままではフラットにすることはできませんが、バルコニーの防水層はもっと下にあり、デッキを敷いて高さを調整しています。
小上がりの反対側です。
キッチンわきにある棚は、洋酒やグラスなどを仕舞う見せる収納です。
小上がりにも書籍や小物などを収納できる棚を造作しました。
こちらはAVボード右横の書斎スペース。
カウンターの右側には収納が二つ。
右側には掃除機などの背の高いものも置けるリビング収納を、左側には作業する際に必要な書棚を用意しました。
この書棚は、正面においてワイドを広く使うか、この位置にして奥行きを確保するか迷いましたが、使い方をイメージして、奥行きを優先しました。
右手の、ロフトに上がる階段の下にも小上がりを用意し、収納を確保しました。
ここに小上がりがあると、ベンチにもなるし、飾り棚としても使えます。
さらに、3歩ほど後退すると、
1階から2階に上がる階段の腰壁にも、文庫本などが置ける棚を用意しました。
使える空間は余すことなく収納スペースにしています。
キッチン奥に見えるのが洗濯機置き場です。
その上の木製の戸棚は、他の建具とトーンが揃うように、同じものを使っています。
お手洗いにも、飾り棚を設けました。
便器の後ろの棚は、メンテナンス時に簡単に外せるように、板に引っかけているだけで、固定していません。
ペーパーホルダーの上の棚は、手すりの代わりにもなるようにしっかり固定しています。
さあ、これより最後の仕上げに取り掛かります。