スナックから賃貸アパートへのリノベーション@砂町
古~いスナックのリノベーション工事のご紹介です。
もともとの砂村ができたのは、1889年。その後、1921年に砂町に変わりました。
今じゃ南砂などに変わり、この名前は砂町銀座などに残るのみとなっているようです。
ま、それだけ古いということが言いたかったのですが。
さっそくビフォーの状態を見てみましょう。
奥の三日月村と手前のJOYという看板が見えます。
要は、三日月村が1階、JOYが2階。
JOYの扉があくと、いきなり階段で2階に上がるという寸法です。
三日月から見てみましょう。
昔懐かしい、スナックというよりは居酒屋さんに見えますね。
こう見るとやや和風スナック風に見えるでしょうか。
さて、上のJOYはというと、
うーん、こちらはまさにスナック。
さて、この物件、かなり年季が入ってまいりました。
構造上も問題があるので、何とかしないと。
こちら道路の境界から22㎝離れたところに建物が建っています。
道路幅は2mほどしかありません。
接道する道路幅は4mないと再建築できません。
その分敷地を後退させて建て替えるのがルールです。
いわゆるセットバックといわれるやつです。
でもそうすると致命的に小さくなってしまい、使いモノになりません。
そこで考えた末に出した結論が、アパートに大規模リフォームするという選択。
大規模修繕=リノベーションとなればセットバックなども必要なく、今と同じ広さを確保できます。
それではまいりましょう、まずは解体から。
どんどん解体します。
骨組を残して。
最終的にはここまで解体します。
一番左の柱、下まで届いていません。
しろありにやられていました。
解体してそのままでは危険なので、仮に補強しています。
この建物は、スナックですから、柱をあまり作りたくなかったようです。
ですので、一般の住宅とは違い、建物の基礎は外周部だけで、
タイルを貼ったフロアには建物の立ち上がりが来ていません。
補強するためにラチス梁を使って建てていました。
長いスパンを柱なしで使いたいときに使われる部材です。
写真で見える、梁の下の鉄骨でつくられた梯子のような部材です。
これが外周部の基礎に載った土台です。
この土台はもう使えませんね。
もともとあった土台の内側に、重さを全体で支える耐圧盤をつくるためにRCの基礎をつくりました。
その際にアンカーボルトを埋め込み、土台となる材木を固定します。
左側がもともとの外周の立ち上がりです。
その内側にコンクリートの立ち上がりがあるのが分かりますね。
このように土台と新たな柱を金具で補強して耐震性を高めます。
アンカーボルトでつなぎ、金具で止める、ほぼ新築と同じです。
屋根も葺き替えます。
構造に負担をかけない素材を選びました。
2階を支える桁と梁の補強に使う火打ち金具です。
圧縮や引っ張りに対抗するための構造金具です。
構造が組みあがりました。
あまり見えませんが、使える構造は使っています。
最終的には、1フロア2部屋のアパートになります。
完成した模様は、次回ご紹介しましょう。