Date：2021年2月12日 ｜ Category：修繕

いつもお世話になっているお客様から、『広縁の床が傾いて困っている』とご相談をいただきました。

現地に確認に行くと、

床と巾木の間に空間が見えます。

壁が上がっているのではなく、床が下がっています。

寄ってみると、

沈んでいますね。

これではこの季節、寒くてたまりません。

まずは原因を究明します。

薄い茶色の床を開けると、中から濃い茶色の床が出てきました。

当社にお声がけいただく前に、沈んだ床を高くしようと、対処療法的に上から床材を貼ったようです。

根本的な問題が解決されていないため、床を貼っても沈下は止みません。

床を直接支えている縦方向の木材を根太、それを支えている太い木材を大引（おおびき）といいますが、この大引が腐敗し、朽ちています。

 

ボロボロですが、シロアリの形跡は見られません。

となると、水が浸みこみ腐朽が進んだのでしょう。

結露か、漏水か、現段階では原因がつかめません。

床下全体にわたって同じような状態でした。

このまま、大引と根太を修繕しても、またどこからか水が出てしまえば、同じことが起こってしまいます。

原因を追究し、それを取り除くため、この状態でしばらく様子を見ます。

 

数日後、雨が降りました。

雨水がコンクリートのたたきに染み込んでいました。

このお部屋は、前面道路より下の、地下のような位置にあるため、浸水しやすいのかもしれません。

腐敗した残骸を撤去し、コンクリートの漏水を止める止水材を塗布します。

コンクリートの亀裂や欠損した場所に充填され、漏水を止めてくれる便利な建材です。

これで漏水は止まっているはずですが、確認のためこの状態で一旦放置し、次の雨が降るのを待ちます。

降雨の後、浸水が止まったのを確認しました。

ようやく、大引と根太を交換します。

根太の上に構造用合板を設置します。

ちなみに、構造用合板の周囲に見える古い床を残しているのは訳があります。

床を全部撤去してしまうと、床と壁の境目にある巾木にも影響を与え、巾木も撤去するとなると、クロスにも影響が出てしまいます。

そうなると大ごとになるので、周囲は残しているのです。

残った床と構造用合板の高さに差異が出ないよう、同じ厚さに揃えています。

リフォーム用の床材で仕上げて完成です。

浸水の元を断っていますので安心ですね。