手すりの取り付け&玄関アプローチバリアフリー工事
80代になられる奥様がお住まいのお家です。
脚が悪くなり、伝い歩きをする中で、玄関アプローチに不安があるとご相談いただきました。
う~ん、門扉までのコンクリート平板やアプローチから玄関ポーチの段差、左手の植栽など、伝い歩きをする際には障害になりそうです。
コンクリート平板は門扉の下の部分とは高さがそろっていますが、道路との間には段差があります。
アプローチとポーチの間もそうですが、ポーチから玄関土間までの間にも段差があります。
目線を下げると、
結構な段差です。
これでは、頼みのカートを押しながらの歩行も、車いすを押してもらうとしても、大きな障害になります。
左手に目線をやると、
元気の良い笹ですが、伝い歩きとなると、不安ですね。
ちょっとよろけて体が傾くと、支えにもならないし、傷だらけになりそうです。
というわけで、アプローチの段差をなくし、手すりをつけます。
取り付ける手すりはこんな感じ。
植栽を撤去して、2m50㎝の距離に柱を立てて、設置する計画です。
既存のコンクリートはそのままに、敷かれているブロックは、撤去するものは撤去、高さを確保するためにそのまま使えるものはそのままにして、手すりの柱を設置します。
ご覧の通り、ブロックを撤去したところは砕石を敷いて安定させ、手すりの柱を立て、ワイヤーメッシュを敷き、型枠を設置します。
この上からコンクリートを打設します。
こちらは玄関土間。
ドアを挟んで、玄関土間も一段下がっているので、コンクリートを打設し、段差を解消します。
既存の土間にコンクリートがしっかり密着するように、シーラー(密着しやすくするのりのようなもの)を塗布します。
ポーチと同じようにワイヤーメッシュを敷き、コンクリートを打設します。
というわけで完成いたしました。
奥に玄関内部も見えると思います。
ドア枠のところだけは若干の段差が残りますが、ほぼ解消しました。
道路からアプローチへの段差は、傾斜が急にならないよう、段差解消スロープを2枚重ねて解消しようと思いましたが、これでは車いすで通行する際に、障害になるということで、長めのアプローチを鉄板で製作し、傾斜を緩やかにしつつ、段差を解消することにしました。現在製作中。
こちらが取り付けた手すり。支える柱は2本で事足りました。
太い柱がコンクリートにしっかり埋め込まれていて、安定感があります。
コンクリートのたたきも、ハケびきという仕上げ方で、横に筋が入り、滑り止めをしっかりしています。
新設したアプローチの玄関ドア側は、古いコンクリートの上に新しいコンクリートが載っていて、左手はブロックを撤去したので、下まで新しいコンクリートになっているのがお判りいただけるかと思います。
全部壊してやり替えると、壊すのにも、壊したものを捨てるのにも、新しく造るのにも費用がかさむので、今回はこのように既存のものを活用しながら、工事を行いました。
現場によって、最適と思われる処置をするよう、心がけています。