狭小住宅と借景
先週の予告通り、今週は借景をご紹介しましょう。
狭小住宅が狭小住宅たるゆえんは、土地の区画が小さいということ。
土地の区画が小さいということは、一般に道も狭く、周囲の区画も狭くなりがちで、
住宅と住宅の間隔も狭くなります。
間隔が狭くなると、お隣さまの視線、家の中から見える景色にも配慮が必要です。
特に1階は距離感も近く、目があったりしようものなら気まずさもピークに。
そんなわけで、配置した窓がこちら。
左右の両端上部に光を取り込む窓を設けました。
実は、お隣は小学校の裏門。
給食室の近くでもあり、生ゴミが一時的に保管されることもあるとのこと。
音やにおいの問題もあるため、このように設計しました。
昼間はこの窓から自然な光を取り込みます。
夜も読書などで過ごす時間も多いことから、
枕元を灯すスポットライトをつけています。
窓から緑が見えます。
小学校といえば、桜。春先には満開の桜が見える位置なのです。
桜の花を楽しめる季節は短いですが、緑は長く楽しめます。
絶好の位置に窓を設けました。
2階子世帯のリビングはというと、
小学校側に、木製の柵で囲ったバルコニーを設けました。
木製の柵を通して緑を見ながら、子供たちの視線を遮る作戦です。
お隣が小学校というのはラッキーでした。
外から見るとこんな感じ。
無垢の木が見えるだけで、建物の表情が和らぐとおもいませんか。
ちなみにベランダの木は無垢のレッドシダー。
水に強い上、塗料の染み込みが良いので、ベランダにもってこいの材料です。
ちなみに塗料は、創業76年、塗料の総合商社 岸田塗料店から取り寄せています。
1階には、ワンちゃんのお散歩の後に活躍する、足洗い場も用意しました。
外回りでいうと、この庇。
当社のオリジナル、というか、ステンレスを加工して、庇にしたものです。
既成品もあるのですが、機能的にまったく問題ありませんし、
素材をそのまま使っていますので、デザインもシンプルに収まり気に入っています。
大量生産された建材を積み上げて建てると、どうしても建売住宅のように見えてしまいます。
ですので、内も外も、できるだけ素材の良さを生かし、
シンプルなデザインで建てるように心掛けています。