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狭小住宅のヒミツ 1.

Date:2015年11月6日 | Category:

すっかり秋めいてまいりました。
それもそのはず、次の日曜日はもう立冬。

 

日中の日差しは暖かいですが、日陰は寒いです。

みなさま、お風邪など召されませぬよう、お気をつけくださいませ。

 

さて、狭小住宅といえば、限られた空間をいかにうまく使って

快適な家を建てることができるかが勝負です。

 

前回ご紹介した、『狭小3階建て住宅のヒミツ』が好評でしたので、

数回に渡って、そのアイディアの具体的な事例をご紹介していきたい、

と思います。

 

延床49.9㎡の家 外観

延床49.9㎡の家 外観

江戸川区の三角と呼ばれる地域に建つ、延床49.9㎡の狭小住宅。
周囲から見られることを意識した素敵な外観に仕上がっていると思います。

 

前回もご紹介しましたが、通説ですと50㎡以下の住宅を狭小住宅と呼んでいるようですので、

今回ご紹介するのは、紛れもない狭小住宅です。

 

土地50.29㎡で、建ぺい・容積率が50%、100%。

3階建てが建てられない土地です。

低層住宅地ですから、日当たりも良いし開放的です。

 

濡れ縁

濡れ縁

南側の空きスペースには、縁側を設けました。
道路から近いので、木のフェンスで外からの視線を遮りました。

これで室内にいても、行き交う人の視線は気になりませんし、縁側で日向ぼっこもできますね。

 

006[1]

視線が『抜ける』和室


右手に先ほどの縁側があります。

この和室、狭さを感じさせない工夫が3つほど隠されています。

わかるかな?

 

3つのヒミツ

3つのヒミツ

①は、前回ご紹介した、下がり壁のない開口部です。

この写真は、下がり壁がないことで広く感じることが伝わりやすいと思います。

②は、壁に空いた穴。

この穴があることで視線が抜けるので、圧迫感が緩和されます。

③は、わずかに見える下りの階段。

実はこの階段、2段しかありません。

しかし、この階段があることで、空間に奥行きを感じさせ、

隣のお部屋と、この和室をはっきりと仕切ることができています。

さらに、この段差があることで、正面に見える階段下トイレの高さを確保しています。

 

2段しかない階段ですが、3つの役割を果たしています。

 

さて、続きまして和室から外の眺め。

 

和室からの眺め

和室からの眺め

お庭には梅の木が。6月になると実がなります。

それを使って、奥様が自家製梅シロップをお作りになります。

 

障子の上の窓。

障子で目隠ししたまま、この窓を開けると、風を取り込むことができます。

夏は大活躍します。

 

収納に挟まれたスタディ

収納に挟まれたスタディ

さてこのお写真、和室の隣、2段分下がった子供部屋から和室を覗いています。

丸いクッションの前はデスク。

背中側は、和室の押入れです。隙間を書斎スペースに活用しました。

 

子供部屋

子供部屋

奥側から見た子供部屋です。

左手には、柱の厚みも使って、和室の押入れと分けあった書棚があります。

わずかな奥行ですが、書棚としては十分。

普通に壁にしてしまって、大量の本を収納しなければならないことを考えたら・・・。、

なんてありがたい書棚なんでしょう!

 

リビングにもデスク×2

リビングにもデスク×2

こちらは、2階リビング。

真ん中の丸いリビングテーブルを、左右のデスクが挟みます。

なんといっても、家族五人で暮らす、49.9㎡の家。

みんなが落ち着いていられる場所を、視線を遮らないように用意しました。

 

右手前側にキッチンがあるのですが、ここから眺めれば、

テーブルにいても、デスクにいても、右奥のソファにいても、ママの視線は

家族みんなに届きます。

 

さらに、正面の大きな窓も狭小住宅地にしては、抜けていますでしょう?

これも、狭く見せないアイディアのひとつ。

 

それ以外の窓は、通風と採光のための小さいものがほとんどです。

隣地が迫って、広く窓がとれる場所は限られているため、

自然とメリハリの効いた窓になるのです。

 

家は何十年も住み続けるもの。

せっかく建てるんですから、しっかり考えて設計し、ずっと快適に暮らしたいですよね。

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