狭小住宅リノベーション工事@北砂~屋根断熱
熊本が大変なことになっていて危機的な状態が続いておりますが、
だからといって遠く離れた我々が気に病んでいても何の解決にもなりません。
自分たちができることをしっかりやっていきたいと思います。
工務店の立場として申し上げたいことは、
耐震性に不安のある家にお住まいの方は、一刻も早く何らかの手を打ちましょう。
耐震診断をして必要な手を打てば、大地震が起きた時に
命を守れる可能性が格段に高まります。
ぜひお声かけください。
さて、表題の通り、狭小住宅リノベーション工事@北砂 続報です。
思い出すために1階の間取り図から、
2階の台所を1階に移動する工事をご紹介しました。
既に1階は完成しているのですが、まだいい写真が撮れていません。
撮れ次第ご紹介します。
今回は、居住しながらの全面改修ですから、同時進行で工事を進めるわけにはいきません。
まず1階を完成させて、荷物を下ろして、そこでの活動をできるようにしてから、
工事のフロアを封鎖してリフォームするという段取りです。
1階が終わったので、2階の荷物を1階に下ろし、3階の荷物を2階荷降ろして、
3階のリノベーション、スタートです。
3階で大事なのは、屋根の断熱です。
まずは写真の様子から。
この写真だけでは、よくわかりませんね。
図解してみましょう。
先ほどの写真の天井裏、鉄骨が見えていたと思いますが、その上にデッキプレート
と呼ばれる鉄板があって、その上をコンクリートで固め、防水シートが張ってあります。
この状態で、夏は灼熱の太陽が照りつけ、冬は北風にさらされているわけです。
断熱材が一切ありませんでした。
そのため、夏は地獄のように暑く、エアコンをつけても太陽のパワーに勝てるわけもなく,
全く効かないという状況でした。冬も一緒。暖房をつけてもそのままどんどん上から熱が逃げていきます。
熱は高いところから低い所へ移動する性質を持つので、夏は冷まそうとする部屋にどんどん熱が流れこみ、
冬は暖房した熱がどんどん天井から逃げていく始末。
想像するだけでやんなっちゃいますでしょ?
それを防ぐために断熱するのです。
考えた作戦は2つ。
見たことがある方も多いと思いますが、グラスウールとは羽毛ぶとんみたいな形状で、壁や屋根裏に
詰め込む断熱材です。
これですと、冬、外気にさらされた鉄板と暖房で温められた空気がグラスウールを通って接触してしまい、
鉄板に結露する可能性が高いのです。
なのでグラスウールはボツです。
暖かい空気が冷え冷えの鉄板に接触することがなくなるので、結露を抑えることが可能です。
というわけで、今回の断熱材は発泡ウレタンに決まりました。
日本パフラムという会社の、GF5030という商品。
非常に燃えにくい性質でノンフロン。環境にも優しい製品です。
はいここで、デッキプレートが見えました。
ライトの右側に見える、凹凸のある鉄板。
この上に直接コンクリートを打設し、防水シートを張ってあるだけでした。
『そりゃ、夏暑いし、冬寒いわけだ・・・』
おわかりいただけますでしょうか。
はい、これで35mm~40mmの厚みで発泡ウレタンの吹付が終了しました。
断熱材は、『熱を断つ』役割を果たしますので、これで屋上の断熱性能はかなり
高まったと思います。
今年の夏の効果が楽しみです。
工事は続きます。