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狭小3階建て住宅のヒミツ

Date:2015年10月16日 | Category:

めっきり寒くなりましたね~。

それもそのはず、来週土曜日は二十四節気で言うところの「霜降」。

長~い寒い季節との戦いが始まります。

寒さに負けず張り切って参りましょう。

今日は、先日ご紹介した「7人家族が住む狭小3階建て住宅」の完成写真を

ご紹介しながら、解説しないと気づかないようなちょっとした工夫を

ご紹介したいと思います。

 

まずは、このお写真から。

 

下がり壁

下がり壁

室内扉の枠の上にある壁のことを下がり壁(さがりかべ)といいます。
この下がり壁があると、視線が抜けず圧迫感を受けます。

これがないと、

 

下がり壁なし

下がり壁なし

ドーンと視線が抜けて、圧迫感がなくなります。
わかりやすいように並べてみましょう。

 

下がり壁比較

下がり壁比較

お分かりいただけるでしょうか?
比較できるように右の写真に加工を加えて、下がり壁があるようにしています。

 

左の下がり壁がほとんどない写真が実際のものです。

 

狭小住宅はなるべく狭く見せないような工夫も大切です。

当社の住宅は、天井高をあえて低く抑えています。

天井高の一般的なサイズは2400(2.4メートル)。

 

当社の標準サイズは、2200です。

「え?20cmも低いの?」という声が聞こえてきそうです。

一般に「天井が高い方が開放感があって良い」と言われていますが、実はそうでもありません。

 

天井が低い事のメリットを挙げてみますと、

①天井高を抑えると、建物自体の高さが抑えられるから、北側斜線などの影響を受けにくくなります。

②傾斜の急な階段をつくらなくて済みます。

③冷暖房効率も良くなります。

④狭小地で高さが抑えられると、ペンシル感が和らぎ、控えめで落ち着いた印象になります。

これに加え、冒頭の下がり壁をなくすことができ、部屋が広く感じられるようになるのです。

狭い空間で天井を高くとると、狭さが際立ってしまったりもするのです。

 

造り付け収納

造り付け収納

「ほそっ!(細)」
と思われるかもしれません。

思い出してみると、7人の大人が住む分離型二世帯住宅です。

お風呂やキッチンが2箇所あることもあり、居室の広さはどうしても犠牲になります。

 

このお部屋は3帖。しかもクローゼットはありません。

最小限の衣類や荷物を入れるスペースが必要ですので、ハンガー付きの洋服掛けと

引き戸のついたオーダー家具を作りました。

 

見せる収納・隠す収納

見せる収納・隠す収納

こちらは同じ子供部屋の収納です。
季節のものや、普段使わないものは小屋裏収納や納戸に納め、

普段はすっきりした暮らし方を楽しむ作戦です。

 

奥の階段の入口にあたる壁には、手すりのような茶色いカバーがあります。

 

日々触る壁のコーナーに、無垢材でカバーをしました。

無垢の木ですから、時を経ても味わい深く変色してくれます。

 

主寝室のクローゼット

主寝室のクローゼット

高さの違うシンプルな台を二つご用意しました。
お施主様のご要望を忠実に形にしました。

貴重な収納スペースですから、無駄にはできません。

 

上部のハンガーパイプ

上部のハンガーパイプ

段違いの収納の上部に当たる写真です。
ね、無駄にしない収納でしょ?

ぐるりとハンガーパイプを回し、最大限の容量を確保しました。

窓も空気が抜けるように2箇所用意しています。

 

階段室

階段室

北側の階段室にも大きくはありませんが窓を作ります。
南側の居室から風をスムーズに取り込むには、この窓が必要なのです。

 

システム収納

システム収納

子世帯リビングの作り付け家具です。

PCコーナーとAVボード、さらに2匹のワンちゃんスペースを兼ねています。

 

それぞれの配置はこんな感じ。

 

オーダー家具

オーダー家具

壁ぴったりに収まるのがオーダー家具の最大のメリットですね。

 

暮らし方のイメージができていれば、あらかじめ家具の配置や

収納スペースを効率よく取ることができるので、

狭小住宅でもスッキリ、スマートに暮らすことができます。

 

次回は、借景などもご紹介したいと思います。

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