16坪の敷地に建つ、18坪の狭小住宅@江戸川区~気密測定
6月に工事が始まったお住まいの工事の模様をご紹介しましょう。
既に上棟を終え、工程は断熱材の施工に進んでいます。
壁面に設置している断熱材は、高性能グラスウール、マグ・イゾベール株式会社のイゾベールコンフォート。
なぜこの断熱材を選択したかというと、
まずは、単純に断熱性能が高いということ。
同じ断熱性能の高さを得るのにかかる費用がお安いのも魅力です。
グラスウールの素材はガラスですから、不燃材料として認められているので、火災にも強い。
さらに、この断熱材は、当社の大工さんが施工します。
硬質ウレタンフォームなどの断熱材は、専門業者に依頼することになるため、スケジュールの調整などに手間と時間がかかり、調整がうまくいかないと、その工程が滞ることも少なくありません。
総合的に考えて、この断熱材を利用することが今回はベストである、と判断しました。
グラスウールなどの人の手で敷き詰めていく断熱材の弱点は、このコンセントのような複雑な形状の部分に隙間なく施工するのが困難なこと。
しかし、このイゾベールコンフォートは、そのスペースに応じてカッターで調整ができるので、隙間なく敷き詰めることができる上、このように切れ端を敷き詰めて隙間を埋めることができるのです。
施工性も良いし、ゴミも出にくい。
まさに理想的な断熱材なのです。
とはいえ、場所に応じて断熱材は使い分けます。
こちらは玄関の土間部分。
このあと、土間部分と立ち上がり部分はモルタルで仕上げます。
ということはある程度硬さがあった方がいい。
なので、板状に固められた固い断熱材を使っています。
断熱材の施工を終えたところで、検査員の方が見えました。
この検査は、住宅瑕疵担保責任保険の対象となるために必要な保険です。
新築住宅は構造上重大な欠陥が発生した場合、10年間は保証する義務を負います。
しかし、請負会社が倒産してしまったりすると、保証の請求ができなくなってしまいます。
そんな時のための保険が住宅瑕疵担保責任保険です。
JIOという組織が行っており、瑕疵担保の対象となる構造体や防水シートの重ね張りの状況などをチェックします。
完成してしまうとわからないので、この段階で検査をします。
さて、断熱材の施工が終わり、気密シートで覆って気密テープを貼り終えました。
いよいよ気密測定を行います。
ドアや窓を全て締め切って、室内の空気をご覧の装置で抜いていき、室内と室外の気圧差などから気密性=C値を計測します。
気密性能=C値とは、床面積あたり、どれだけの隙間があるかを調べたもの。
今回の1㎠/㎡とは、延床100㎡の家に換算すると、100㎠の隙間があるということです。
100㎠というと手のひらサイズです。
今回のお宅でいうと、それよりもかなり小さい隙間に抑えられています。
平成11年に決められた次世代省エネ基準にはC値の標準値もあり、東京では5㎠/㎡でした。
この基準の1/5に収まっているということです。
なぜ気密性が大切かというと、隙間があったら冬、寒いですよね。
ま、それもあるんですが、隙間だらけの家は、計画的に換気ができず、空気が滞る部分ができてしまうのです。
すると、湿気を多く含んだ空気が滞って、外気温との差によって結露し、カビの発生を招くなど不都合が発生します。
このような状況を招かないために気密測定を行い、安心してお住まいいただけることを数値化しています。
もう一つ重要なのは、気密測定を行う前提で家を建てること。
となると、細かな隙間に敏感になるので、建築に携わる方の意識が変わります。
学校の勉強でも、テストがなければ覚えが悪いのと同じで、テストがあると思えば、それを前提に隙間をつくらないように意識が高まる。
すると、自然と施工精度も上がるというわけです。
気密測定が終わり、石膏ボードを貼り終えました。
雑然としているようで、よく見ると整然と大工道具が片付いているのがおわかりいただけると思います。
当社の家づくりは、地域特性から施工現場のスペースが限られるケースが多いので、常に整然とした状態を保つように心がけています。
そういう素地がある上で、気密測定を行うとなれば、さらに意識も施工精度も高まると思います。
外壁の施工を終え、工事は最終段階へ。
今月中のお引渡しを予定しているので、引き続き丁寧な仕事を心がけながら、迅速に進行してまいります。